アルダファーERG理論

普段は”自称技術コンサルタント”して活動していますが
”技術”はあくまでもクライアントとの接点であり
Toolに過ぎない。
ぼくがクライアントに提供したいのは
モチベーションの回帰。
これに尽きる。

コスト、効率化のプレッシャーの日々で
エンジニアの創造力が発揮できるフィールドは
狭まる一方。
こんな環境下で、如何に
エンジニアがエンジニアらしいモチベーションを持って
日々を過ごすことができるか?
そんな環境、雰囲気を作り出すのが
自分のミッション。

しかし、この
”モチベーション”というのを
現実の組織の上層部が、リアルなモノとして扱うことに対し
非常に希薄。
”モチベーション”という言葉だけが無機的に存在し
それに真剣に取り組もうとしない。。
というか、出来ない。。
そもそも”モチベーション”とは何たるか?
がわかってない?
そんな気がする。

ともすれば、情熱とか、気合とか、共感とか。。
そういう精神論を語るのを極端に嫌う傾向の強い
エリート上層部。。。

しかし、経営論を学べば、早い段階で
”欲求”のなんたるか?を学ぶ。
つまり、アカデミックにはちゃんと勉強している訳、
いや、はずだ。

今現在、ぼくのクライント先が抱えている闇は
まさに、モチベーションの異常なまでの低下状態。
アイデンティティの発揮欲望に対する焦燥感。。。
長い年月をかけて、心の底に持ち続けてきた
厚く赤い情熱も、いつしか、自分でもわからないほどの
心の奥にしまい込まれてしまっている。
おいらのミッションは
この心の奥底に閉ざしてしまった情熱を
もう一回、表に引きずり出すことだ。

アカデミックな世界も日々進化を続ける。
20年前に勉強したときは
”欲求”に関してはマズローだった。
この体系理論が自分の中に刷り込まれていて、
モチベーション復活のための作戦は
すべて、そこから導き出していた。。。
忙しい毎日に奔走するあまり
勉強を怠ったので、
アルダファーなんて、名前も良く知らなかった(苦笑;
ERG理論なんて。。。

まあ、ERGはシンプルにいうとカテゴリを単純化させ
変わりに体系をより現実に適合するように見直し
結果的により複雑化した体系か。。。

マズロー
生理的欲求
安全欲求         
愛情欲求
尊厳欲求
自己実現欲求
の5段階としたが

アルダファーは
生存欲求
関係欲求
成長欲求
の3段階とした

確かにこっちの方が、経験上もなじみやすいかもしれない。
欲求は段階説なので、特に、愛情/尊厳あたりは
一体化して、その中で各要素を体系化した方が
理屈に合致する。

で、ERGの特命命題はというと
1.生存欲求の満足が低いほど、それはより一層希求される。
2.関係欲求の満足が低いほど、生存欲求はより一層希求される。
3.生存欲求の満足が高いほど、関係欲求はより一層希求される。
4.関係欲求の満足が低いほど、それはより一層希求される。
5.成長欲求の満足が低いほど、関係欲求はより一層希求される。
6.関係欲求の満足が高いほど、成長欲求はより一層希求される。
7.成長欲求の満足が高いほど、それはより一層希求される。

実は、今現在のクライアント、
実際には、10数年前に自分を育ててくれたのが
このクライアント。
多くのことを学んで、だから今がある。
普通に考えれば、その親にコンサルなんて
おこがましいのだが
アカデミックに考えても、欲求段階で語るならば
退化している。。。
これは、このクライアントだけなのだろうか?
結構多くの大企業が慢性的に抱えてるような機がする。

少なくとも
10数年前は、成長欲求の段階にいた。。。はずだ。。
多くの人が自己実現欲に満ちていた。。
だから、下らない関係欲求に関連する問題/利害には目もくれず
ひたすら、みんなで自己実現を追い求めていた
高次元の世界だった。。。

ところが
今は、はっきりいって関係欲求の低層に突入している。
もはや毎日を支えているのは、
生存欲求でしかない。。。
マズローで言えば安全欲求だ。。。
自己実現欲はおろか、
頭打ちのピラミッド組織において、
出世の道筋も不透明。
関係欲求を満たしようにも不確定要素が多すぎて
手を打てずその欲求が満たせず
生存欲求がより一層希求されるという上記の2.の命題の世界にいる。。。

なんとも悲しい実態だ。
なんでこうなってしまったんだ。。。ほんとに。

でも嘆いていてもしょうがない
一歩ずつ進んでいくしか。。。

ただ救いもある。
まだ何人かの人たちは、こころの奥底に熱い火を灯している。
その火がある限りは、まだ救いようがある。
その火にスポット・ライトをあて
白日の下にさらして現場の人間の自己実現欲を満たし
一方経営陣には彼らが望む年貢を納める。
この2つを同時に実現することが自分のミッションであり
現場の自己実現欲を、経営陣が望む年貢米に変換する
コンバータを役割を提供するのが自分だ。

簡単ではない。
現場では、みんなと一緒に泣き笑い、苦しんで
時には一緒に血を流し
一方、上層部には、おべっか使ってご機嫌を取りながら
時間を稼ぎ、遅ればせながらでも、年貢を納めていく。。。
寝ている時間なんて、ある訳ない。。。
でも、こんな一歩一歩が、明日の日本を元気にする。。。
んだと信じる。。。