半導体2.0 その2

前回はWeb2.0の潮流から、半導体業界に2.0潮流の考え方を持ち込んだらどうなるだろう?という問題提起を行ってみた。
今回は、もう一歩踏み込んでみて、半導体、特に半導体ベンチャー企業における2.0的なアプローチの仕方があるとしたら、どんなものなのかを考えてみたい。

半導体Chip開発は誰のためにあるのか? 誰が主役か?

当たり前の”問い”だが、そものも、この当たり前の”問い”の部分から脱線している会社が多いように思う。
そもそも、LSIとはDigitalであれAnalogであれ、本来PCB上にDiscreteで存在するものを集積したモノである。
設計Processを考えれば、Costや開発期間、PCB上の面積など様々な理由から、集積化に踏み切り、LSI化していく。一社のCloseされた開発体制で考えれば、主役は当然、PCB上で回路を組む設計者であり、その設計者の意図を汲み取り、脇役(サブ)としてLSI化に取り組む格好だ。
つまり、IC開発者は決して主役では無い。
ところが昨今のChipベンダーは押し付けが多い。なまじ、Platform研究の部隊なんぞを抱えた会社はかえって始末が悪い。
最後の詰めの仕様は、単純な開発Phaseでは無く、品質や、量産性、最終ラインでのTest性、他部品との相性など、およそChipベンダの開発室ではカバリングできない領域で肝となる部分が見えてくる。
そんなことも知らない輩に、「うだうだ言わずにこう使って下さい」的な
Salesを平気で展開する。
Open化の波は、異なる会社間や、異業種間の人の交流を加速する。
自分自身も、いろいろら会社間で中立的に立ち回れる立場を利用して、草の根的に
こういう交流を増やしていこうと考えている。
そういう流れが一般化してくると、この手の会社は一気に駆逐される可能性がある。
このように交流を持った様々な人が性善説的なネットワークを構築して
真に素晴らしい集積Chipを信頼できる会社に依頼し、単一の会社だけでなく
こういった複数の会社が連携して、半導体の会社を育てていく。
顧客側も従来は、半導体会社を囲い込んで特定半導体会社の技術,Chipを利用して競合他社に対する自社のAdvantageを確保するというアプローチもあったかと思うが、今後はナンセンスであろう。自社の価値はコモディティー化されていない部分で生み出すべきだし、競争の部位が微妙に変わってくるはずだ

事件は、顧客の開発現場で起きている!

そう。。。ICベンダの開発室で起きてる事件なんて、ままごとにすぎない。。

まず、主役は誰なのか?
当たり前のことが当たり前に出来ていずに、主役がICベンダ側にあった旧態
の状態を1.0とするならば、主役の座を顧客側に戻すアプローチが2.0かもしれない。。。

次回へつづく


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